難波江 任さん
(NPO法人eワーク愛媛理事長)
1960年、新居浜市生まれ。企業勤務時代の人事・労務経験を活かし就職支援のための企業を2002年に設立。2003年、求職弱者支援活動を継続して行うためNPO法人eワーク愛媛を設立し現職。以後、宿泊型の自立支援や職業訓練などを活用して、働くことに困難を抱える若者の就労支援を続けながら、求職弱者の受け皿を確保するための地域おこし・地域再生活動、人材育成事業を行っている。また、地域の食文化、食品ロス削減に関する研究を継続中である。
有限会社永愛ヒューマンリソーシズ代表取締役、一般社団法人えひめシップリサイクル研究会理事を兼務。併せて、地域再生活動団体愛媛大学地域再生マネージャー・アカデミー会長を務める。愛媛大学大学院 連合農学研究科 単位取得退学。博士(農学/愛媛大学)。
主な活動内容は何ですか?
■ アウトリーチ(訪問支援)
社会と繋がっていない方にこちらから会いに行っています。最初から会える方は実は多くありません。まずは手紙をドアの下に入れるところから始め、「こんにちは」 の一言だけ交わせる日が来るのを待つ。そんな小さな積み重ねで、少しずつ心の扉を開いてくれるようになります。興味のある映画のチラシを一緒に見たり、ゲームをしたり、釣りに行ったり。「遊び」のように見えて、それが本人にとっては外の世界とつながる大切な一歩なんです。
■ 就労準備支援
外出できるようになったら、次は就労に向けての準備が始まります。フードパントリーでの作業体験、職場見学、模擬就労、適性の整理、自分の得意を見つけるための対話などをしながら少しずつできることを増やしていき、本人のペースでステップを踏んでいきます。焦らせることはしません。
■ フードバンク・コミュニティパントリー
支援しているうちに、貧困の問題、食べるものに困っている人が多いということに気づきました。「食」は、人とつながるためのとても大切なきっかけです。コミュニティパントリーは、月6000円分ほどの食料を受け取れ、困っている方がふらっと立ち寄れる場所でもあります。食料支援は「生活を助ける」だけでなく、仕分け作業などを通じて社会体験にもつながる、私たちの活動の土台になっています。
■ 合宿・シェルター支援
今は必要人数が集まらず休止中ですが、最短1週間から利用できる合宿型支援も再開可能な体制を整えています。松山・宇和島などのシェルターでは、家庭と距離を置きたい若者の一時避難先として利用されることもあります。
■ アフターケア支援
児童養護施設を退所した若者たちは、就労の定着が難しいケースが多くあります。そうした“受け皿のない若者”を長期的に支えていくのも、私たちの大切な役割です。
活動を始めたきっかけは?
元々は企業で人事課長をしていて、障害者雇用と携わったことがきっかけです。製造現場で、設備ややり方を変えていけば障害者の方に働いていただけるのに、企業内における経営層の事情や現場の理解不足などで現実にはなかなかうまくいかないということがありました。障害者だけでなく、退職後年金をもらうまでの期間の中高年の方も就職が難しかった。企業内でやることに限界を感じて、自分でやることにしました。
退職後すぐに、同じ志をもつ仲間とともに任意団体を立ち上げ、障害者だけでなく、ひきこもり・若者・中高年など「働きづらさ」を抱えるすべての人の支援に取り組み始めました。
2005年に法人化し、その頃ちょうど国でも「若者自立塾」という新しい事業が始まり、私たちもコンソーシアムに参加して受託して、合宿型の自立支援を行いました。
その後も愛媛県全域、どこからでも支援に繋がれるように拠点を増やし、必要とされている支援を届けられるように、訪問支援(アウトリーチ)、就労準備支援、フードバンク、コミュニティパントリー、児童養護施設などから自立していこうとしている方々のアフターケア支援、シェルター運営と、地域の困りごとに寄り添った支援を続けてきました。
団体の目標や目的は?
私たちが目指しているのは、何より「本人が自分らしく、生きる力を取り戻すこと」です。就労はゴールのひとつですが、「働けるようになる」というよりも、本人が望む形で生活が成り立つようになることを大事にしています。
人付き合いが得意じゃなくてもいい。
外に出るまでに時間がかかってもいい。
「こうなりなさい」と押しつけるのではなく、本人がどうなりたいのか を丁寧に聞き取りながら、一緒に道を探していくことが私たちの役目です。
大事にしていることは?
支援をする上で、私たちが最も大事にしているのは、
「言いたいことを言える場所をつくること」
「本人のペースを尊重すること」
「小さな成功体験を積み重ねること」です。
「誰かに話すことができる」「否定されずに受け止めてもらえる」その小さな安心が、次の一歩につながります。
また、就労においては企業側の理解がとても大切です。経営者が「よっしゃ連れて来い」と言っても、現場のリーダーが理解していないと受け入れられない。だから私たちも、現場の人たちに丁寧に説明しながら、受け入れてくれる企業を増やしています。そしてたくさんの選択肢があれば合うところがみつかりやすい。マッチングも大切です。合わなければ何が合わなかったか言葉にする。すると合うところに近づいていきます。そうやって本人に合う職場を一緒に探しています。
| 団体名・活動名 | NPO法人eワーク愛媛(愛媛県) |
|---|---|
| 代表者・担当者 | 難波江 任 |
| 所在地 | 〒792-0050 愛媛県新居浜市萩生1309-1 |
| 主な対応地域 | 愛媛県 |
| ホームページ | https://eworkehime.kojyuro.com/ |
| お問い合わせ |
0897-47-4307 E-mail: eworksehime@gmail.com |

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こども食堂でのフードパントリー

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合宿訓練での地域活動への参加
